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国民年金追納時の加算額について

就職にあたって、学生納付特例を受けていた期間の年金をいつ追納するか(または追納しないか)を検討した。

その判断のために、将来追納する場合の加算額がどうやって決まるのかを知りたかったが、インターネット上には直接的な情報がほとんどなかった。

いくつか法令などを調べてようやく納得ができたので、分かったことをメモしておく。

なお、以下の情報はあくまで素人が調べたものであり、誤りが含まれる可能性が高いことをご承知いただきたい。

前提

知りたかったこと

国民年金を追納する際の加算額はどうやって決まるのか。

具体的には、Web上を検索すると、加算額は「10年物国債の利率に連動」するという情報がいくつかヒットするが、これは正しいのか。

結論

正しい。

法令上の根拠

まず、国民年金追納時の加算額は、国民年金法第94条第3項1に「当該追納に係る期間の各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額」と定めがある。

この具体的な加算額は、国民年金法施行令第10条第1項2で定められている。ここでは、加算額は免除等月の保険料に以下の率(以下、加算率という)を乗じた額とされている。

本記事を執筆している令和7年度の加算率表は以下のようになっている。

令和7年度に追納する場合の加算率表

年度加算率
平成27年度0.022
平成28年度0.021
平成29年度0.020
平成30年度0.019
令和元年度0.018
令和2年度0.017
令和3年度0.015
令和4年度0.009

毎年度の加算率の根拠については、厚生労働省年金局長発出の通知に記載がある。

令和7年度の年発0401第1号3を見ると、国民年金法施行令の一部改正について、「令和7年度における国民年金の保険料を追納する際の加算率を、令和6年各月発行の10年国債の表面利率の平均値(+0.9%)を基準として改定する」と説明されている。

また、過去の年度においても同じく「前年の10年国債の表面利率の平均値」を用いていることが確認できる。

この0.9%という数字は、上に記載した令第10条第1項の加算率表の最下段にある令和4年度の値(0.009)と一致する。したがって、加算額がかかる直近の年度(追納の3年度前)の加算率は、「前年の10年国債の表面利率の平均値」がそのまま使われるようである。

では、それ以前の年度分の加算率はどのように計算されているのか。検索したところ、平成27年度の年発0401第56号4に詳しい説明があった。

平成27年度に追納する場合、加算額が課せられるのは平成24年度以前の保険料である。このうち、平成24年度分の加算率は、前記の国債利率から0.6%とされている。

また、平成23年度以前の分の加算率は、「平成26年度時点の追納加算率にそれぞれ0.6%を乗じたもの」と説明されている。つまり、加算率の更新にあたっては、前年度時点での加算率に対して、毎年新たに「前年の10年国債の表面利率の平均値」が乗じられるようである。

以上のことを整理すると、例えば令和n年度の保険料を追納する場合の加算率は

といった具合に、毎年の国債の利率が掛け算されることになっている。

まとめ

以上の制度は、毎月の保険料を通常どおり納付する場合と、納付免除等を受け、その分を10年債で運用して10年以内に追納する場合とで、損得の差が発生しないように設計されている5と理解できる。

ただし、免除等を受けてから最初の2年度分の金利は免除されるので、その意味では免除等のほうが有利である。

また、国債よりも高い収益率が期待できるような運用方法がある場合には、あえて免除等を受けて納付を遅らせることも選択肢となるだろう。

もっとも、納付タイミングの選択にあたって考慮すべき要素としては、追納の加算率だけでなく所得税率も重要なので、そのあたりは各々の事情によって判断されたい。


Footnotes

  1. 国民年金法(e-gov 法令検索)

  2. 国民年金法施行令(e-gov 法令検索)

  3. 年発0401第1号(令和7年4月1日)

  4. 年発0401第56号(平成27年4月1日)

  5. 厳密には、国債の表面利率と国債の利回り(実勢金利)とは別の概念であって、両者の値には多少の乖離が発生する。ただし、財務省のQ&Aによれば表面利率には実勢金利に近い利率が設定されるので、長期的には両者は概ね一致しているとみてよいだろう。


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